犬式
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犬式 INUSHIKI
レゲエのリズムと精神性をベースにしたジャムロック、とでも形容したら良いだろうか。2000年代の犬式のライブはひたすら熱く、長かった。時代が、どこかまだ緩慢とした雰囲気の中をたゆたっていた頃に、怒り、吠え、覚醒を呼びかけていた。地方の小箱で、フェスで、数々の伝説は作られる。その音楽性は常に変化を続けていたし、新しくも古くもあった。とりわけ後期は、プログレッシブロックやジャズロック的な要素も感じられたが、根本的にはトライバルな肉体性を伴うサウンドだ。考えたり、感じさせたりの果てに最後は、踊る。
パンクの初期衝動はファンクな成熟を見せ、原発事故が起きて時代のケツに火がつき、政治「的」だった三宅は政治そのものに飛び込んだ。
そして2017年、
犬式 INUSHIKI がまた動き始めた。
彼らがこれからどんな音を鳴らし始めるのか、全く予想がつかない。時代は大きく動き、求められるメッセージも変化しているかもしれない。ただ、彼らがこれまでよりもさらにどん欲に、あらゆるリミットを取り外した世界観を構築してくれることは間違いない。その音楽性を語る時に「のような」とか「的な」と言った形容が通用しない、まさに「犬式な」世界がそこにあるはずだ。
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